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三者の関係は、簿記の集計結果からバランスシートと損益計算書を作成する過程(すなわち決算の過程)をたどれば整理できます(左図参照)。 決算ではまず、仕訳の結果を勘定科目ごとの金額集計します。この勘定科目ごとの集計表を「試算表」といい、左図左のように左側に資産・費用、右側に負債・資本・収益の各勘定が集計されます。 |
試算表は、左右を一対に記録する仕訳を集計したものなので、当然、左右の金額は一致します。
この試算表のうち、資産・負債・資本に属する項目はバランスシートに、収益・費用に属する項目は損益計算書に分解されて決算書になります。ここでポイントになるのは当期に発生した利益です。
当期利益は、バランスシートにも損益計算書にも分解されていきます。上図を見れば分かるように、資産と負債・資本の差を利益が埋めることで、バランスシートは「バランス」を保っています。
収益と費用のそれぞれは損益計算書に分解されていくので、結果として利益が損益計算書に分解されるのは明らかです。では何故、利益はバランスシートにも分解されるのでしょう。
取引にはフローとストックの2つがあります。収益と費用はフローであり、資産・負債・資本はストックです。そして、このフローとストックの接点になるのが利益なのです。なぜならストックとは、収益と費用というフローの結果(両者のネット=利益)にほかならないからです。
たとえば、10億円の収益と9億円の費用というフローが発生した場合、結果として1億円の現金というストックが残ります。
したがって、ネットのフローである利益が、ストックとしてバランスシートに蓄積されていくわけです。
(借入金で土地を買うという、ストックとストックの取引もありますが、この場合、資産・負債が両建てで膨らんだだけで、正味のストックに増減はありません。)
このように、バランスシートと損益計算書は利益を介してつながっています。バランスシートを中心に見れば、損益計算書はバランスシートの純資産( 正味のストック)の増減明細なのです。
(C)公認会計士米井靖雄事務所 1999-2011 |