――●直接費・間接費とは
コストの分類にはいくつかの方法がありますが、固定費・変動費と似て非なる概念に直接費・間接費というのがあります。
この分類は、事業や製品・サービスごとの業績や原価・損益を把握する際に用いられます。直接費とは、その発生が事業や製品等に直接結び付けられる費用をいい、一方、間接費とはコストの発生が事業や製品と直接結びつかない費用のことをいいます。
この直接費・間接費でポイントになるのは次の2点です。
@直接費・間接費は相対的な概念である
A採算・業績評価のためには、間接費を配賦する必要がある
――●直接費・間接費の範囲
上述したように直接費とは、特定の製品や事業に直接結びつく費用のことです。したがって、「どこ」との結びつきを考えるかによってその範囲は違ってきます。つまり、直接費か間接費かというのは相対的な概念であり、ひと口に間接費といっても使われる文脈の中でその指し示すところは異なるのです。
この点でいちばん直接費の範囲が狭くなるのは、採算評価の最小単位である、製品ごとの原価を計算するときです。特定の製品原価に直接結びつくのは、工場で発生する費用の中でも主原料の材料費や製造ラインで作業する従業員の人件費などに限られるでしょう。
これに対し、事業部門ごとの業績評価をする際には、専属工場のコスト全体が直接費になるのはもちろん、その事業部の営業経費も直接費として括られます。この場合の間接費とは、特定の事業部に属さない本社の管理・企画部門の費用など(いわゆる本社費)がこれに該当します。
――●間接費の配賦
さて、次のポイントである間接費の配賦に話を移しましょう。
そもそも「配賦」という言葉が耳慣れないかも知れません。配賦とは、費用を按分して振り分け、負担させることを言います。
たとえばある製品Aの製造原価を把握するとき、材料費や製造ラインの人件費はダイレクトに製品Aのためのコストだと認識できます。しかし、たとえば工場建物の減価償却費はどう考えればいいのでしょう。
ここで、直接把握できないからと言って償却費を原価計算の対象に入れなかったらどうなるでしょう。当然、製品原価は過小に計算されてしまいます。その原価をもとに売値を決めたら、きっと損な商売をするはめになるでしょう。
したがって、工場の償却費を何らかの基準で配賦する(割り振る)必要が生じるのです。