――@資産の部
前述したように、資産の部は「現金への距離」に応じて、以下のように構成されています。
┏流動資産
・・・・・・・・・・・・・・現金、預金、売掛金、棚卸資産etc
┃ ┏━有形固定資産・・・・・機械装置、工具器具備品、土地etc
┣固定資産━╋━無形固定資産・・・・・電話加入権、借地権etc
┃ ┗━投資その他の資産・・・敷金保証金、子会社株式etc
┗繰延資産・・・・・・・・・・・・・・開業費、創立費etc
まず、資産は流動資産、固定資産、繰延資産の3つに大別できます。流動資産は、近い将来(1年以内)に現金化される資産をいい、現預金のほか、売掛金や棚卸資産(製品・商品など)などが該当します。
固定資産は、長期にわたって利用もしくは所有される資産をいい、これは更に有形固定資産、無形固定資産、投資その他
の資産に分類されます。
有形固定資産は「形の有る」資産で、建物、機械装置、工具器具備品などが該当します。無形固定資産はいわば長期の権利で、電話加入権、借地権などがその例です。投資その他は長期の投融資で、保証金や子会社の株式などが該当します。
繰延資産は、本来的には費用ですが、その効果が将来にまで期待されるので、分割で費用処理するために資産として計上したものです。いわば費用の先送りであり、経営的には望ましくありません。現金に変わり得ないので、一番下に置かれるのです。
なお、参考のために
以下に資産の主な勘定科目を掲げておきます。
<項目/勘定科目> |
< 説 明 > |
▼流動資産
○現金 ・・・・・
○当座預金 ・・・
○普通預金 ・・・
○受取手形 ・・・
○売掛金 ・・・・
○有価証券 ・・・
○商品 ・・・・・
○製品 ・・・・・
○原材料 ・・・・
○短期貸付金 ・・
○未収入金 ・・・
○仮払金 ・・・・
○前払金 ・・・・
○立替金 ・・・・
○前払費用 ・・ ・ |
現金や受取小切手
小切手・手形を振り出すことができる、決済用の預金
要求に応じ、即時払い出しが可能な預金
他人振り出しの約束手形・為替手形
代金後払いで販売した売上代金の未回収分
短期所有(売買目的)の有価証券
販売目的で仕入れた物品
販売目的で製造した物品
製品製造のための材料
役員・社員・取引先などに短期で貸した金銭
商品・製品以外のもの(工場用地など)を売った際の販売代金
出張旅費などの未精算金
仕入の際に前払いした金銭
社員や取引先などが支払うべきものを一時的に立て替えた金銭
支払済みだが、次期以降の費用とされるべき費用(前払家賃など) |
▼固定資産
▽有形固定資産
○建物 ・・・・・
○構築物 ・・・・
○機械装置 ・・・
○工具器具備品・・
○車両運搬具 ・・
○土地 ・・・・・
▽無形固定資産
○電話加入権 ・・
○特許権 ・・・・
○借地権 ・・・・
▽投資等
○敷金保証金 ・・
○投資有価証券・・ |
工場、事務所、店舗などの建物
広告塔、舗装路などの工作物
製品製造用の機械や装置
事務機器、測定機器、家具、工具など
自動車、フォークリフト、クレーンなど
工場、事務所、店舗などの敷地
▽無形固定資産
電話利用の際の権利金
特許取得に要した研究費、手続き費用
土地を借りる際の権利金
▽投資その他
建物を借りる際の権利金・預託金
取引先の株式など、長期保有目的で所有する有価証券 |
▼繰延資産
○創立費 ・・・・
○開業費 ・・・・ |
会社の設立にかかった費用(費用処理されていない額)
営業開始までにかかった費用(費用処理されていない額) |