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[ 1
2
3
]
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割引率 |
1年後 |
3年後 |
5年後 |
10年後 |
1% |
0.99 |
0.97 |
0.95 |
0.91 |
3% |
0.97 |
0.92 |
0.86 |
0.74 |
5% |
0.95 |
0.86 |
0.78 |
0.61 |
10% |
0.91 |
0.75 |
0.62 |
0.39 |
上の表は、ある割引率・ある期間のもとでの現在価値がどれだけに相当するか(「現価係数」と言います)を示した表です。たとえば、割引率10%の下での、1年後における100万円の現在価値は (現価係数が0.91であることから)91万円と読みます。
この表からは2つのことが読み取れます。1つは、期間が経てば経つほどキャッシュの価値は下がっていくこと、もう1つは、割引率が高ければ高いほどキャッシュの価値は下がっていくこと、です。割引率が高く、期間が長いと、その相乗効果で現在価値は極端に低いものになってしまいます(割引率10%のとき、10年後の100万円は、たったの39万円の価値しかありません)。
ここで「価値が下がる」とは、言葉を換えれば、「アテにならない」ということを意味します。遠い先のことほど、またリスク(不確実性)が高いほど(割引率が高いほど)、将来の収入はアテにならず、評価が低くなってしまうのです。
私たちはともすれば、将来をバラ色一色に描きたがるものです(そうでもなければ 会社経営などできないでしょう)。しかし、特に起業や新規事業の立ち上げ段階では事業の不確実性は格段に高く(立ち上げのプロセス自体が不確実性を下げていくプロセスだとも言えます)、客観的に見れば「アテにならない」状況なのが普通でしょう。
起業 もしくは新規事業の立ち上げをするにあたっては、まず不確実性の存在を認識することが何より重要です。そして、その不確実性を認識した上で、自らの読みが外れた場合でも柔軟に対応できるよう構えをしておく(少なくとも心構えをしておく)ことにより、事業の存続可能性は高まっていくといえます。
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