――●キャッシュフローの計算と分類
キャッシュフローは単純には、期首と期末の現預金(キャッシュ)残高の差で計算できます。
しかし、それではただの「結果」であり、経営管理には何の役にも立ちません。そこで、利益の計算を5段階に分けて行なうのと同様、キャッシュフローを経営活動の内容に即して3分類して、資金増減の「原因」や「資金の流れ」を明らかにするのです。
すなわち経営活動を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに分けてそれぞれの活動ごとに資金の動きを計算するのです。各々の資金の流れは、@営業キャッシュフロー、A投資キャッシュフロー、B財務キャッシュフローと呼ばれます。以下、各項目についてその内容を見ていきましょう。
@営業キャッシュフロー・・・日常の営業活動による資金の増減
A投資キャッシュフロー・・・投資活動(設備投資)による資金の増減
B財務キャッシュフロー・・・財務活動(資金調達)による資金の増減
合計:キャッシュフロー・・・企業活動全体の資金の増減
――●営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、企業の営業活動の結果もたらされるキャッシュフローです。個人(サラリーマン)の例で言えば、給料がこれに当たります。
営業キャッシュフローは、企業のキャッシュフローの源泉です。中期的にはここの黒字で設備投資資金を賄い、借入金を返済していくことになります。ですから逆に、営業キャッシュフローが赤字に転落した場合には、倒産への予兆が始まったと警戒しなければいけません。