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(Q)固定費・変動費とは?

 

(A)売上に関係なく一定額発生するのが固定費、 売上に比例して増減するのが変動費。両者の構成は、事業の収益構造を規定する。

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 前述したとおり、CVP・損益分岐点分析は、 企業経営にとって非常に重要な概念です。そして、固定費・変動費の問題は経営のリスクの大小に結びついています。


――●費用構造とリスク・リターンの関係

  ここで、具体的な数字を出して、費用構造とリスク・リターンの関係を考えてみましょう。

 今、ともに売上が100、費用が80で20の利益を上げているA社とB社があります。但し、両者の費用構造は異なっており、
 ・A社・・・固定費60、変動費20:変動費率20%、限界利益率80%
 ・B社・・・固定費20、変動費60:変動費率60%、限界利益率40%
      (変動費率は変動費の売上に対する比率)

となっています。このとき、この2社の売上が現状の2倍(200)になったときと、現状の半分(50)になったときの業績は下表のようになります。
 

 

(売上)(限界利益率)(固定費)

(利益)

現状

A社:

 100   x 80%  -  60  =

20 

B社:

 100   x 40%  -  20  =

20 

好況

A社:

 200   x 80%  -  60  =

100 

B社:

 200   x 40%  -  20  =

60 

不況

A社:

  50   x 80%  -  60  =

▲20 

B社:

  50   x 40%  -  20  =

0 

 
 上表を見ると、固定費が大きく変動費率の低い(限界利益率の高い)A社では、売上の変動に対する損益のブレが大きいことが分かります(損益:好況時100⇔不況時▲20、損益のブレ:120)。一方、固定費が小さく変動費率の高いB社では、相対的に損益の変動が小さくなっています(損益:好況時60⇔不況時0、損益のブレ:60)。

 端的に言えば、固定費が大きいとハイリスク・ハイリターン、変動費が多いとローリスク・ローリターンと整理できるでしょう。

 これより、変動費が多い方が売上不振に対する抵抗力が強いことが分かります。極端な話、変動費だけの会社は潰れることがないのです(ちなみに、A社の損益分岐点は75、B社の損益分岐点は50)。

 たとえば固定費ゼロで、変動費率が99.9%の会社を想定してみましょう。この会社は、売上が1億円のとき10万円の利益しか上げることができません。しかし、売上が10万円になっても100円の利益を計上します。1000円の売上でも1円の利益を出します。理論上は倒産することはないのです。

 固定費の割合を小さくし、損益分岐点を下げることは、企業経営にとっての永遠の課題とも言えるでしょう。

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